日本海溝
米軍原潜「ポートマン」艦内 「艦長、日本の防衛隊の電波をキャッチ。 今度は秋田に新たなモンスターが出現したとのことです。」 「ふ〜、これで何匹目だ?せっかく怪獣島ごと爆破してけりがついたんじゃなかったのか。」 艦長は苦笑いしながら副長からのメモを受け取った。 「ゲジゲジ?何のことだ、これは??」「さあ?」 「こっちは、海軍司令部から。寄港先をヨコスカからサセボに変更せよとのことです。」 「わかった。ヨコスカもモンスターにやられたのか?」 「戦艦あけぼのが轟沈させられたとだけは聞きましたが。」 「しかし艦長、このままだと日本は・・・」 「おっと副長、その先を考えるのは大統領の仕事だ。」 「イエス、サー!」 「進路をサセボへ。」 それから30分後 「まだついて来てるのか?」 艦長は額の汗を拭いながらレーダーをのぞき込んだ。 「はい。本艦と1000mの距離を保ってはいますが。大きさは『カリフォルニア級』。」 「ソナーはどうなっている?音紋の照合はまだか?」 「スクリュー音はありません。不規則なキャビテーション・ノイズがたまにあるだけで。」 「艦長、まさか・・・ロシアの??」 「プーチンもバカじゃないさ。冗談にせよわが国を刺激することが無意味なことぐらいはわかっている。」 「では・・・中国??」 「というか・・・、コイツは本当に潜水艦なのか?!!」 「アクティブ・ソナーをうってきていますから、鯨では無いはずです。」 「じゃあ一体・・・」「艦長、相手が一気に距離を縮めて来ます。」 「最大船速!振り切れっ!!」「アイアイサー!!」 「機関室、何をやっている?!『最大船速』と行ったのがわからんのか?!!」 「副長、これで目一杯です!故障ではありません?!!」 艦長と副長は思わず顔を見合わせる。 「通信手、攻撃の警告を!!」「さっきからやってますが一向に応答してきません!!」 「くっそぅ、冗談だろう!!魚雷発射管開け!!4番8番の発射スタンバイ!! 距離500を切ったら発射だ!!!」 バシューーーッ!!! 鈍い発射音と共に2発のホーミング型魚雷がターゲットに向かう。 次の瞬間、それは海底の闇から伸びてきた青白い光線に包まれた。 「艦長、魚雷が・・・消滅しました!!」「な、何ぃっ!!」 「敵はすごい勢いで距離を詰めてきます。このままだと衝突コース!」 「全員何かに捕まれ!」 ズズズ〜〜〜ン!!! 激しい衝撃で乗組員達は床にたたきつけられた。 「・・・・接触しました。敵は本艦の真横に・・・」 ギシギシギシ・・・・・ガリガリ・・・・ 「こいつは・・・こいつは鑑じゃない!これはゴ・・・」 次の瞬間激しい衝撃と共に流れ込んできた海水は彼の叫びごと全てを飲み込んだ。
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