AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する
掛川市郊外、国道1号線。
浜松第十一部隊戦闘指揮車。
「酷い渋滞だな。」
「隊長、怪獣は現在島田市付近を時速60kmの速度で国道1号線沿いに西進中とのことです。」
「すぐそこじゃないか。急いで渋滞中の車両を放棄させて避難させろっ!
 いくら発砲許可が出ていもこのままじゃ重火器の使用は無理だぞ。」

JR三島駅。
新幹線を降ろされた乗客達でごったがえす中に四人はいた。
「どうしましょう、これから?」
「車で西へ!きっと獣王が上陸してくるはずです!!」
タクシー乗り場に駆け出す四人。
「お願いします、西へ!いや、静岡まで!!」
「あんたら何言ってるんだよ、怪獣が現れたって大騒ぎになってるんだぜ。」
タクシーのラジオから流れるアナウンサーの声・・・
「今夜8時過ぎに上陸した怪獣は静岡市を蹂躙した後、西に向かって移動しています。
 市内はあちこちから火の手が上がっていますが、交通は完全に麻痺状態で消火・救援活動も・・・」
顔を見合わせる四人。

再び浜松第十一部隊戦闘指揮車。
「そろそろ来るぞ!」
「隊長あそこに!!」
闇の中に青白く浮き上がる「獣王」の姿。
「投光器!!各員射撃準備!!」
投光器に照らされ立ち止まる「獣王」。
威嚇するように咆吼。
「グウォォォォォォーーーーー!!」
「射撃開始!!!」
もちろん小銃の射撃など「獣王」に効き目の有ろうはずがない。
五月蝿そうに瞬きした「獣王」の鶏冠がゆっくりと立ち上がりながら頭の回りに広がり始める。
同時にたてがみが逆立ち始め、鶏冠には無数の電撃が・・・・
「な、何いっ!!」
次の瞬間「獣王」の鶏冠はひときわまぶしく発光し、その口からまばゆくい閃光が放たれた。
バリバリバリバリッ!!!
第十一部隊は悲鳴をあげる間もなく一瞬にして消滅した。

ちょうど中島少佐の乗ったヘリは現場近くの上空にさしかかったところであった。
「何だ、今のは?!!」
「少佐、第十一部隊応答ありません!!」
「ちぃっ!!犬山の戦車部隊はどこだっ?!!」
「少佐、本部から入電です。繋ぎます。」
「大佐、ええ、今掛川市の上空です。
 怪獣のヤツ、第十一部隊を一瞬で消滅させて・・・、ええ、犬山の戦車部隊を・・・・、
 えっ、攻撃は中止?!!何故ですっ!!!」

防衛隊中央戦略司令室
大田原大佐がマイクを握っている。
「怪獣の移動スピードが早すぎる。戦車戦を行えるほどの住民避難は間に合わない。
 どうせ手出しはできんが怪獣の監視のために犬山基地から対戦車ヘリを向かわせた。今は堪えろ!」
「しかし、ヤツの好き放題にさせるんですかっ?!!」
「対戦車ヘリ部隊と合流したらお前も犬山基地に迎え。私も今からそちらへ飛ぶ。」

その後「獣王」は豊橋市をけちらしたのち三河湾にその巨体を沈めていったのである。

いったん東京に戻った真田達4人はヘリで再び西に向かっていた。
「真田、防衛隊は前線基地を犬山に置いたらしい。」
「わかった、おれたちもそこに向かおう。
 獣王が京都に向かうことを伝えるんだ。」
阿須美と菖蒲はヘリの後席で食い入るようにTVの画面を見つめている。
どの局も「怪獣上陸」のニュースで持ちきりだった。
「それにしても、これは一体何なの?怪獣が『獣王』?!」
「私達は『獣王』と呼んでいますが、『影』に伝わる古文書には『電皇牙竜頭』ともあります。」
「どれも単に形態を文字にしたもので、固有名詞とはいえないわね。」
「形態といえば哺乳類型爬虫類のアンテオサウルスにも似てますね。」
「古代より日本では祟り神には『名』を与えて封印してきたわ。菅原道真を『天満天神』としたようにね。
獣王は一度封印されて現代に蘇ってきた。それならば新たに『名』を付け直した方がいいわね。『名』をつける事はそのものを支配する事。」
「そういうものなんですか、菖蒲さん。」
「そういうものなのよ、金城君。その『名』の下に今度こそ完全に封印してやらなきゃ、ねぇ、阿須美ちゃん。」
「・・・ええ・・・。でも、どのような『名』を・・・」
「そうね、どうせなら思いっきり新しいのがいいわね。『電皇牙竜頭』・・・『アンテオサウルス』・・・。『ディオガルス』なんてのはどう?」
「・・・ディオガルス。『獣王ディオガルス』!」
阿須美はまるで呪文でも唱えるように繰り返しその名を呟いた。


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